自主学習会 掲示板

近世史読書会 近現代史読書会 古代の東国探訪学習会
古文書学習会 日本の民俗を訪ねる  旅と街道学習会
総合展示物学習会 日本の原始・古代を考える 日本の中世を探求する
注)この掲示板に掲載された内容は友の会会員のみへのお知らせとなります。



近世史読書会





近現代史読書会





古代の東国探訪学習会





古文書学習会





日本の民俗を訪ねる





旅と街道学習会



講演要旨

第1部 食と業と自然を考える:川と海の視点から・・・・・八木信行教授


昔からヨーロッパでは川は物資や人を輸送する道としての役割があった。ドイツのフランクフルト空港からライン川沿いを下流に向けて走る鉄道に乗ると、マインツ、ボン、ケルン、デュッセルドルフなど、よく聞く名前の町に次々と停車していく。これらは古くからライン川の交通によって発達した町である。しかし、ライン川で魚釣りをしている人は全く見かけない。ドイツでは川で遊漁をする際の許可を政府から得るのが難しいこともあろうが、加えて、ヨーロッパでは魚よりも家畜を食べる食文化が発達したために川で魚を得て食料とする行為は一般的ではないことも理由であろう。
一方、日本では歴史的に川は道としての役割だけでなく、人間の食料となる魚を得るとともに、稲作用の水を得る場であった。明治時代以降、日本では陸上における鉄道や道路網が発達し、道としての役割は大きく後退したが、ごく最近まで川は食料を得る上で重要な場所であった。現在も日本では河川に漁業協同組合が存在するし、また、農業用の水を得るため、水利組合が存在する。どちらも、天然資源である魚や農業用水を、過剰な利用を避けながら地域のメンバーに衡平かつ平等に配分する機能を持っている。
現在、国際社会では「持続可能な開発」が大きな関心を引いており、2015年には国連で「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」が採択されているが、日本では昔から持続可能な資源配分の仕組みが存在していたといえよう。これは海洋に存在する魚や海藻、更にクジラなどの資源利用についてもいえることある。講演では、川と海の視点から、世界の中の日本における食と業と自然を考えていきたい。



第2部 いきもの供養と漁業・・・・・関 いずみ教授


海に囲まれた日本では、古来より水域生物は重要な食料として利用されてきた。もちろん、積極的に捕獲もしたし、時には海の彼方から様々な動植物が漂着してくることもあった。このような水域生物を祀る供養碑や供養祭は、現代でも数多く確認できる。日本人は、これらのいきものの死を悼み、我々の生命を支えてくれていることに感謝し、豊漁や漁業の安全を祈願するために供養を続けているのである。
 水域生物の供養碑は1100基以上ある。主には「魚霊」「魚魂」「魚貝類」などのように、水域生物を包括的にとらえたものが多いが、60種ほどの個別の生物に関する供養碑も存在している。中でも突出して多いのが、ウミガメ(226基)とクジラ(200基)の供養碑である。クジラについては、鯨組のような組織的な漁業によって意図的に捕獲されたクジラを供養するものと、偶然地先の海に迷い込んで死んでしまったり、死んで浜に流れ着いたりしたクジラを供養するものとがある。一つ一つの供養碑には、いきものと人とのそれぞれの物語が込められている。今回は、クジラの供養碑を中心として、いくつかの供養碑の「いきもの語り」に耳を傾けてみたい。
 近年はいきものの死への悼みや感謝だけでなく、地域活性化や観光のための誘客といった意味合いが加味されているような供養も出てきているように思われる。時代の流れの中で、供養の形もその意味合いも、少しずつ変わってきているのかもしれない。しかし、いただいた命への敬意と感謝を込めて、これからも私たちは他のいきものに対して謙虚に向き合う姿勢を忘れてはならないと思う。

                                              掲載期間:7/25




総合展示物学習会





日本の原始・古代を考える



                                              掲載期間:10/11




日本の中世を探求する